CERNの道路

CERNは、細長い三角形のような土地をしていて、端から端まで2kmほどある。そして、ジュラ紀の化石で有名なジュラ山脈側からなだらかな下り坂の――一部上り坂もある――傾斜を持っている土地である。車がないと不便する。

ヨーロッパの道路は国の輩出した偉人の名前があてられている。パスカル通り、クロード・ベルナール通りなどである。 CERNでは、物理学者の名前にちなんでいる。


正面ゲート入ってすぐ右に2kmほど伸びるアインシュタイン通り 。ほぼ毎日この道路にお世話になっている道。というか坂。来たばかりの頃、途中にある消防署に道を聞いたら、消防車で送ってくれた。CERN内部での非常事態、例えば窒素ガスやアルゴンガスが漏れて酸欠になったり、高所作業からの転落、火災、引火性ガスの漏れなどに備えて、消防局が研究所の中にあるのだ。

1938年のノーベル物理学賞をとったエンリコ・フェルミ。彼の書いた熱力学の教科書は東大の一年生の授業でよく指定されている。アメリカにはフェルミ国立加速器研究所もある。就活生ならだれでもフェルミ推定の名で彼のことを知っているだろう。

他にも様々な道路がある。311地震の放射能問題で一躍有名になった放射性の発見者ベクレル、レントゲン線の発見者レントゲン、弱い相互作用のパリティ非保存の検証をしたウー、パウリの排他原理のパウリ、黒体放射のエネルギースペクトルをエネルギーの不連続性によって説明して量子力学の種火に火を点けたプランク、行列力学のハイゼンベルク、波動力学のシュレディンガー、相対論的量子力学のディラックなど、主に前期量子力学以降の偉人たちの名前が冠されている。

ちなみに、CERNができたのは1954年である。それ以降の物理学者の名前がどこかの道路にあるのかは知らないが、1954年の時点で存命だった物理学者は多いので、これら道路が設立当時からそのまま名前変わらずにあるのなら、彼ら、彼女らはとても光栄だったのだろう。

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