計画的偶発性のすすめ~キャリアプランや進路に迷うとき~

キャリアプランは思い通りにいかない

キャリアプランに悩むのは人間に共通でしょう。大学受験、就職活動、転職、夢、あこがれ、やりたいことが見つからないなど、様々な問題や時期があります。






ソフトバンクの孫社長やニトリの似鳥さんのように中長期的な生き方を十代のうちに決め、それを死ぬまでやり遂げるような生き方は簡単にはマネできない。

人生には様々な予定外の事件が起こる。孔子が出家するきっかけになった生老病死の四苦だったり、フランスの哲学者サルトルによれば死と他人だったり。時代は常に予想通りとも限らないから、そんなプラン決めて生きるのは、それこそリスクじゃないかと思うこともあり、かといって無目的に生きるときの人生の浪費感はひどい。

計画的偶発性理論



このタイトルどうにかならなかったのか


そんなときに出会った考え方が計画的偶発性理論。人生の八割は予想だにしない偶然のイベントによって決まるということ。スタンフォード大学で心理学を受け持つジョン・D・クランボルツ教授が提唱したもの。以下の五つを備えている人ほど計画的偶発性理論に従う生き方をしやすいと言う。

  • 1.好奇心[Curiosity]
  • 2.持続性[Persistence]
  • 3.柔軟性[Flexibility]
  • 4.楽観性[Optimism]
  • 5.冒険心[Risk Taking]

これ、なるほどと思うのだが、難しい。ちなみに、偶然というのは、素朴な意味で本人にとって予想だにしていなかったことにする。予定調和説を持ちだされ、全ては運命だとか、自由意思の有無や、ダイナミックコア仮説を持ちだされると面倒だ。

好奇心と持続性は相反する

好奇心、柔軟性、冒険心はその性質上、どうしても持続性とは対立してしまうのだ。何かを持続するというのは、どの程度のことを言うのか、これもまた難しいが、好奇心を様々に広げつつも、何かは持続してがんばらないといけない。しかし、この一つのことに捕われず、好奇心の赴くように生きる柔軟性は、中長期型の目標を立てて、そこに全人生を投入する生き方とは必ずしも相容れない。目標が「資産1000兆」とか「本を100冊出版」とかなら、まだ達成する方法は様々あるが、「コンピュータサイエンスをやる」というように、何をするかで目標を決めると、方向転換した方がいい場合もある。例えば、富士フィルムは今ではフィルム産業はかなり縮小して、デジカメの方が売上も伸びている。フィルム技術はそのまま枯れさせるのではなく、その技術を活かしてテレビや液晶モニタにも手を広げている。

積極的に勝負に挑む楽観性

楽観性は特別に他の何とも独立して存在しているものだろう。人生は幸せには気づきにくいが不幸には気づきやすいものだ。日頃、不便なく暮らしていることだって、紛れも無い偶然の連続で奇跡的と見てもよいのに、そう感じる人は少ない。日々満足に暮らしている人の影で、伝染病に遭ったり、通りものにあたったり、財布を盗まれたりする、本人に責任を解い難い不幸に遭う人もいるのだ。そして、人生はそういう不幸ばかり目につく。そういった不運にあっても、それを背負い人生を前向きに生きる気概はとても重要だ。苦しめば苦しむほど生きている実感がわく、宗教の伝道者や修道士のような人もいるかもしれない。それこそ、自分が果たすべき苦労に身を捧げることで、暇を持て余した哲学に走らずに済むので、却って幸運かもしれない。などと考えるのも楽観性だ。

また、何かを始めるときにクヨクヨして始められないのもよくない。
痩せてから水着を着るんじゃない
英語が話せるようになってから外国に行くんじゃない

歌がうまくなってからステージに立つんじゃない。

...
条件がそろってから幸せになるんじゃない
許可されたからやるんじゃない
こんなことを心屋仁之助さんが書いていた[5]。まさしくその通りで、時間も環境の変化も自分の意思決定を待ってはくれない。たしか、孫社長の弟も、Yahoo!と話してYahoo!Japanを始めるときに、「優秀なエンジニア10人は揃っているか」と訊かれ、全く一人も揃ってもないのに、「はい」と答え、大急ぎで友人を経由して集めたとかいう話をしていた気がする。大事なときに逃げ腰ではダメなのだ。そこには、楽観性が必要なのだ。準備ばかりに拘っていては、

たしか、孫氏の兵法には「準備はしっかりしろ。でも臨機応変に。」といった旨が書いてあったような気がする。実際にそうなのだ。一つのことに固執するような融通の効かない生き方では策に溺れるのだ。アジャイル型ビジネスが最近注目されるのも、そういうわけだ。いつでも方向転換できるように進めるのだ。


つまり、計画的偶発性理論って何なの?どう生きるの?進路はどうしよ?

この理論を知ったとき、まさしく自分のことだと思った。中長期の目標を立て、それに向かって継続的に努力し、同時に好奇心を広く持って偶発的イベントを積極的に起こし、それを最大限に利用していくということ。

偶然に左右されちゃうの?努力むくわれなくね?

というわけじゃない。努力しているからこそ、偶然が起きる。努力しているからこそ、偶然を活かせる。ニュートンがいじめっ子に果敢に喧嘩を挑み、勝ったことが彼の人生に対する見方を変え、努力に目覚めさせた。人生の可能性に気づかせた。ペニシリンを見つけてノーベル生理学・医学賞を受賞したフレミングも偶然だった。部屋が汚いおかげだった。マイクロ宇宙背景放射を見つけてノーベル賞を受賞したベル研究所のアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィルソンも偶然だった。パラボラアンテナをどこに向けてもノイズが混入するので、これはひょっとして宇宙に普遍的に存在しているものではないかと思い、プリンストン大学の教授に電話してみたら、教授は周囲の研究員に「諸君、我々は先を越されたみたいだ。」と話した。それと、eBayもGoogleもYahoo!もHot or Not!偶然だ。

どうにもならないような荒波に流されながら愉快に全力で生きるんだよ。
  1. 計画的偶発性理論
  2. 計画的偶発性(プランドハップンスタンス)理論とは?
  3. 計画された偶発性理論を実践するための、5つのキーワード
  4. やっていることが、逆だから前に進まない。 

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