書評:井伏鱒二(1948)『山椒魚』, 新潮社



 2015年8月30日(日)の昼、セルビアのノヴィ・サドからベオグラードに向かう列車の中で読み終わりました。

 『山椒魚は悲しんだ』で始まる有名な短編は、11ページしかありません。本書は12の短編が収められています。



 井伏鱒二を読むのは初めてでした。私が未熟だったのか、どの短編も中途半端な気がしてしまました。続きないのかと驚いたり、抑揚のない展開に退屈を感じたり。全体を通して情景描写をしているだけのような印象でした。太宰治は「山椒魚」を読んで感激したそうですが、僕には全然わからず、自分は書を読む心を欠いて生まれてきたのかと思うのでした。

 しいて楽しめる作品をあげるとすれば、「寒山拾得」と「掛持ち」の2作品です。「寒山拾得」に出てくる、人の絵を模写して金を稼ぐ男や、「掛持ち」に出てくる、やりにくい立場の主人公は、読んでいて、その心情の描写が巧みで、まあまあおもしろいものでした。自分が知らなかった言葉の用い方や表現にあたると、おもしろいような気がしてくるものです。

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