オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』

オルテガ・イ・ガセット(1930)『大衆の反逆』神吉敬三訳、筑摩書房、1995
大衆とは、善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出しているすべての人のことである。(P.17)
大衆論の古典。1930年の著作。第一次大戦と二次大戦の間に書かれた。向上心もなく、文明に敬意も抱かない大衆が国を支配するようになったことを指摘、警鐘する。これは前代未聞のことだった。大衆は、自身が何もよくわかっていないことをわきまえて、政治のことは政治家に任せているのが以前だった。オルテガは大衆が権利を主張する民主主義を批判し、貴族制を大事とする。

したがって、アメリカが支配者としての能力をもちうると考えることは夢に等しいのである。(P.209)
この予想ははずれ、アメリカは世界の中心となった。

人間の生は、その本質上、何かに賭けられていなければならない。(P.203)

専門性を極める科学者もまずいと言っている点は意外でした。専門外のことについて知らないことを開き直るかららしい。専門主義よりは百科全書派の頃のほうがよいとのこと。


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