書評: スーザン・フォワード (2001)『毒になる親 一生苦しむ子供』(玉置悟訳)講談社

2016年に読んで印象に残った本のレビューをしていきます。まず一冊目。

・スーザン・フォワード (2001)『毒になる親 一生苦しむ子供』(玉置悟訳)講談社
Susan Forward:"Toxic Parents: Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life"


 「自分の子どもを愛しているか」と聞かれれば、ほとんどの親はもちろんだと答える。子どもはそれを疑わない。しかし、そこには罠がある。子どもの存在を 親が全面的に無条件に肯定して愛さない場合、親子関係に問題がある場合、子どもや愛着障害やアダルトチルドレンになる(アダルト・チルドレンはアル中の親 に限らない)。両親がケンカし、「結婚しなければこんな人生にならなかった」と言うのを聞いた子どもや、テレビを観ながら「こんな頭のいい子どもがいいな」と呟く親を見て焦った子どもが日々どれだけいるだろう。
これは人生が順風満帆に見える高学歴でも深刻だ。親に愛されるために必死にテストでよい点をとる子どもたちを見ると胸が痛ましくなる。今これを読んでいる 人の中にも、東大や医学部なんてどうでもよかったけど、親に失望されたくなかったから入ったという人もいるはずだ。東大教授の安冨歩が書いた「生きる技 法」も非常に示唆に富む(彼はエゴサーチばかりしているが本当にアダルト・チルドレンを克服してるのか)。
本書は、友人にアダルト・チルドレンではないかと指摘を受けて紐解いたが、まさか自我や自己形成の理解に、幼少期にまで遡るとは思っていなかった。おかげで自分は変わったと思う。本書は親子関係の偉大な古典として殿堂入りしてよい。


 類書のおすすめ:

  • 岩月謙司 (2003)『なぜ、「白雪姫」は毒リンゴを食べたのか』新潮社
  • 安冨歩 (2011)『生きる技法』青灯社
  • アリス・ミラー (2013)『魂の殺人 新装版』(山下公子訳)青灯社
  • 芹沢俊介(2008)『親殺し』エヌティティ出版

コメント